1月の勉強会は何暁霞先生の動物生薬に関しての講義でした。
動物生薬には哺乳類・鳥類・魚類・両生類・爬虫類・虫類・甲殻類など色々あります
『血肉有情之品』 血も肉もあり、情もある・・・人に近いという事
『同気相求』 人に近いので、よく補える
このように言うことから力のあるものと考えられています。
時々引用する「老中医の診察室」の第7回『脊髄炎を補肝腎と清化湿熱で治す』では漢方薬と豚の脊髄30㎝を一緒に煮込んで摂らせています。
3年も寝たきりだったのに3週間後は捕まって立つことが出来るようになり、数か月後には出かけられるまでに快復しています。なるほど『同気相求』だと思います。
食用蟻で食養生
勉強会ではアリについて再度学びました。
製品では益宝がアリ製剤です。
アリは9000種あるそうですが食用蟻は10種類しか無いそうです。
オーストラリアにも食用蟻がいるそうで、そういえばアボリジニの食文化に蟻を食べる習慣があった事を思い出しました。
たしか、蜜をためている甘いアリをテレビで見た事があったと思います。
中医で使われる蟻は『螞蟻』で木の上に巣を作ります。
画像をみましたが、まるで真っ黒なハチの巣のようです。
養殖ができないので野生のものです。
3千年以上前から食され蟻ジャムは皇帝に献上され、貴族階級の嗜好品だったそうです。
アミノ酸や微量元素など豊富ですので栄養補助食品になります。
中医学では性は平、味は鹹で、補腎・通経絡・消腫毒の効があり、腎虚頭昏耳鳴・失眠多夢・陽虚遺精・中風偏癱・手足麻木・紅斑性狼瘡・強皮病・皮膚炎・癰腫疔瘡・毒蛇咬傷を主冶となっています。
中国では免疫機能に問題があるためになる色々な病気に応用されているそうです。
新聞などに治癒経験がのっていてリューマチ・強直性脊髄炎・大腿骨壊死症・乾癬・関節炎や便秘・不眠に至るまで色々だそうです。
関節炎にはよく使われ1~4ヶ月で大分緩解するそうですが、何先生が驚きをもって話されたのは20年あった乳腺のしこりが無くなったという話です。
中医学で乳腺は肝の経絡という事から考え逍遥散を使う事が多いそうですが、蟻が良いというのは初めてだそうで、使ってみようと思っていますと言っていました。
乾燥した蟻をお酒に浸け込んだ薬酒や蟻の粉末などの形で飲まれているそうです。
何先生曰く「難病と言われている病気には使ってみては・・・」
中医学で『腎は精を蔵し、骨を主り、髄を生じ髄海に通じる』といいます。
精とは人の生きる力の根本みたいなものです。疲弊し体力気力ともに失った状態を『精根尽き果てる』といいます。この言葉にも精の重要性が出ていると思います。
阿膠
ロバの皮からとった膠質です。
中医学的には補血・滋陰・潤燥・安胎の効ありと言われていて、楊貴妃が美しさを保つために飲んでいたとか、習慣性流産に悩んでいた西太后が飲んで同治帝を生んだとか言われているそうです。
何先生も「子供の頃母が阿膠を煮込み黒胡麻と混ぜて食べていました。そのせいか母の髪は60歳になっても艶のある黒髪でした」と話されました。
阿膠は婦宝当帰膠に使われていますが、近年値段がだいぶ高騰しているそうです。
そういわれると阿膠が入れられなくなるのが心配です。
亀
薬用はクサガメの甲羅です。これを3日3晩くらい煎じるゼラチン質を取り出すそうです。
長寿・吉祥・幸運の象徴で、自然界の最も濃厚な陰を得て長生き任脈(月経と関係のある経脈)を通し、補陰力が最も強い。
*亀の長寿の秘密はのんびり!!
新陳代謝は緩慢・年間300gしか増えず、心拍数は26~30回、11月から4月まで冬眠
*陰は静かで抑制的なイメージがあると思いますが中医学でも陰が十分であれば気持ちも穏やかでのんびりでよく眠れます。
スッポン
スッポンの甲羅を鼈甲といい亀の甲羅と同じく滋陰潜陽の効があります。
鹿角
陰陽はバランスよく補います。鹿角(ろっかく)は骨化した鹿の角でやはり長く煎じて膠にしたものです。
これは陽気(エネルギー)を補います。