平成27年11月15日 中医学の勉強会
『活血薬と健康法』中医学講師 劉文昭先生
加齢による体力の低下に伴い心蔵の機能も低下します。(心肺機能の衰え)心蔵の機能が低下すると、例えば、
冠状動脈の血流減少→動悸、脈拍の乱れ
心臓機能の低下により代償作用の自律神経中の交感神経興奮→汗出、脈拍が速い
周囲組織の血流量の不足→疲労感
脳の血流不足→眠い、眩暈
血液の検査結果→BNP上昇
年齢が加わると心拍出量の低下が起こると云う事を覚えておきましょう。
歳をとったら健康維持に活血化瘀!
(ひと言)心蔵の関係の方剤に丹参がよく使われています。
中薬学に『丹参は苦・微寒 心肝二経の血分に入り、活血去瘀・涼血消腫・清心除煩に働く。瘀血痺阻心脈による狭心痛に川芎・紅花などと用いる。』
以前、冠心二号方(狭心症の方剤)の開発にかかわった中医学の教授に「心蔵に関しては通が補になる」と述べていましたが、その通りだと感じます。
活血薬による症例検討
■心機能低下で浮腫の症例
■心機能低下の眩暈の症例検討
■心機能低下の不整脈と汗出の症例検討で
■心筋梗塞で心不全の症例検討
中医学で動脈硬化は瘀血です。(痰瘀互結の場合もあります。)
■頸動脈血栓の症例検討
■脳梗塞の症例検討
認知症も瘀血が関係しています。
■認知症の症例検討
中医学漢方では、健康予防、抗老化として、活血-補腎-健脾を常に補強することが大事な要素と考えます。
瘀血度をチェックしてみましょう!
瘀血の三大症状は 痛む・しこる・黒ずむです。
■皮膚
顔色がどす黒い・・・5点
歯ぐきが暗赤色・・・5点
皮膚が硬化しざらついている(さめ肌)・・・5点
打撲によるうっ血がある・・・5点
目の下にくまができる・・・3点
シミ・ソバカスが多い・・・3点
手のひらに紅斑がある・・・3点
アザができやすい・・・2点■頭・肩
肩や首筋が凝る・・・3点
手足が冷える・・・2点
物忘れしやすい・・・2点
頭痛・・・2点■痛み
関節痛がある・・・5点
手足がしびれる・・・3点
リウマチ・・・3点
刺すような又はしめつけられる胸の痛みがある・・・5点■舌
裏側の静脈の怒張・・・5点
色が暗紅色、暗淡紅または黒っぽい点や黒ずみがある・・・5点■血管
静脈瘤がある・・・3点■月経
経血の黒ずみや塊・・・5点
月経痛・・・3点■その他
唇が紫っぽい・・・5点
痔がある・・・2点
タール状の黒便・・・3点
内臓のポリープや腫瘍・・・5点
■瘀血の判定基準
3~6点・・・瘀血傾向
7~11点・・・瘀血
12点以上・・・瘀血が進んでいる
(日本中医薬研究会の瘀血の話 参照)