平成30年11月18日 中医学勉強会
『食養生』 中医学講師 劉桂平先生
食養生の重要性
①人は食によって生命が維持されるので食養生は重要。
②病気の原因を考えるに食が関係することも多い。
③病気の原因は個々の違い・気候や時間などを考慮・地域性などを考える必要がある。
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日本人の体質(農耕民族だった事など)
日本の気候風土(四季の変化・冬の乾燥・高温多湿な夏)
→ 疾病の時期を考慮
中医学で疾病は邪気によっておこると考えています。
外界から入ってくる邪気(風・寒・湿・熱・燥・暑)六淫といいます。
他に内生の邪気(瘀血・痰湿)などがあります。
正気が邪気に勝てば疾病は生じません。
例えばこの夏は猛暑でした。
夏ごろから体調を崩していれば、暑邪の性質を考慮します。
暑は炎熱ですから、炎症・興奮・紅い・腫れるその結果として乾燥、さらに陰虚になるなど・・・時に発汗や消耗による気の消耗から陽虚になる場合も
また暑は湿を絡めてくるので脾胃の損傷・胃腸炎・しつこい皮膚炎など
炎熱も結果として乾くという事がおこり、湿による下痢から潤い不足がおき、秋の気は燥であることから津液不足・陰虚傾向が更に進む事など考える必要があります。
治病求本・・・病を治そうと思うなら本質(原因)考えるという事・・・食養生
体質改善には胃気(食欲が大切)
健脾益胃(脾胃の働きをよくする事は食養生につながる
*中医学の食養生は栄養学的観点でなく脾胃(胃腸)を補助する事を考える
吸収と排泄は重要!
*自然の摂理に従う・・・旬のものを摂り腹八分
*中医学の考え方・・・「食治則身治」(食生活が良くなれば身体は治る)
「安身之本、必資於食」
中医学は西洋医学のように深く部分を診る医学ではありません。
全体観といい身体全体をみるばかりでなく気候など環境因子も含めて全体を考え、人が備えている恒常性を維持しようとする力、治癒力を回復させようとするものです。
人の身体は生まれつき与えられた成長すると力(先天の精)飲食物の摂り込みによって滋養され、エネルギーもできる(後天の精)と呼吸による清気のとりこみによって維持されています。
だから、身体に必要な飲食物を必要なだけ必要な形で摂取する事、それを摂り込む機能である脾胃が健全である事は治癒力と深い関係があるという事です。
昔から言われる病気と食事の関係
脂っこいものを摂る、美食しすぎるとおできなどの出来物ができる
食べ過ぎは胃腸を損傷する
飲食の不摂生は百病に通じる
中医学による良い飲食とは
淡味・・薄味
節食・・節度ある食事
腸をきれいに!「欲得長生、腸中常清」
ひかえた方が良い食べ物
甘いもの(チョコレート・ケーキなど)
脂っこいものや脂の多い肉(天ぷら・とんかつなど)
辛いもの
洋食・加工食品
高たんぱくのものの摂りすぎ
生ものや冷たい物
コーヒー・アルコール
タバコ
養生生活
心を穏やかにし、和食中心で腹八分
季節の野菜に火を通してたっぷり食べる
バランス良くたべる
適度な運動(適度に汗をだす)
朝日や木漏れ日などやさしい日光をあびる
生活リズムをまもる(食事・睡眠)
白湯・緑茶・紅茶を飲む
脾胃をまもる漢方薬・・・衛益顆粒・健胃顆粒・健脾散・心脾顆粒他
脾胃をまもる漢方食品・・・晶三仙・五行草茶・シベリア霊芝
腹八分の目安
1、胃の膨張感がない。苦しくない。
2、身体が重くならない
3、食後眠くならない。
食養生
胃気保護
原因の除去・・・漢方薬や漢方食品の効きがよくなる
体質改善・・・食養生と漢方で改善
*情報の多くあれもこれもとなりがちです。
自分にあった方法を知ることが大事。
*病気は邪気によると書きましたが、内生の邪気は瘀血・痰湿です。
これらはほとんど生活や飲食の不摂生からできるといっても過言でありません。
飲食物から得られ水穀の清微から気血精がつくられますが、作る能力以上に食してしまっては痰湿・瘀血を作っているようなものです。
瘀血は万病の素といいます。
養生生活で身体をいらわりましょう。