平成29年7月17日 中医学の勉強会
『美と健康のため 中医学の智恵を活かそう』 中医学講師 張 立也先生
健康美人 滋陰養血填精 瑞々しさの為に
夏の養生・・・清補 (清・・・熱を清める・補・・・気血津液を補う)
*陽気発散・・・体内の陽気を発散する
*益気養陰・・・気を益し陰(精血・津液)を養う
*健脾護胃・・・脾を健やかにして胃を護る
*冬病夏治・・・冬に悪化する病を夏の養生で治す
生脈散(麦味参顆粒)
人参は主薬で、味は甘く温で 大いに元気や脾肺の気を補う
麦門冬は主薬を補助し、肺を潤し津液を滋養し、心を清し熱を
瀉す五味子は補助の2番手で肺気を収斂して津液を生じ、
収め培い散じる心は上にあって脈を主(つかさど)り、
肺は百脈を集める。心を清し肺を補えば気は充ちて脈が復活する。
だから生脈(しょうみゃく)という。
夏におこりやすい中医学的状態
津液不足・・・潤い不足(脱水ぎみ)
心肺気陰両虚・・・心肺の気陰の不足
脾胃気陰両虚・・・脾胃の気陰の不足
心肺腎気血精虚・・・心肺人の気血精の不足
肝腎精血両虚・・・肝腎の精血不足
夏の邪気に対応
火熱邪盛・・・五涼華
痰熱撹心・・・温胆湯
肝胆実火・・・瀉火利湿顆粒
暑湿犯表・湿邪困脾・・・勝湿顆粒
傷津耗液・・・瀉火補腎丸
健康美人 サラサラ血液 イキイキ血管
瘀血を改善・・・活血化瘀
○瘀血証ガイドライン
①質 紫暗 舌に瘀斑・瘀点・舌下静脈怒張
②顔 唇・歯ぐき・目の周りが黒ずむ
③肌 鮫肌・毛細血管、静脈が浮き出る
④固定痛・刺痛・絞痛
⑤紫斑・タール便
⑥生理痛・生理不順・月経血が黒い・血塊がある
⑦肢体の痺れ・感覚が鈍いまたは片麻痺
⑧精神異常・神志異常
⑨臓器の腫大や腫瘍 腫塊
血管の狭窄など循環障害
○対応
循環障害・不定愁訴・・・活血化瘀
活血化瘀+補気養血
高脂血症・動脈硬化・・・活血化瘀+理気活血 化痰通絡
出血壊死・血栓壊疽・・・活血化瘀+清熱化痰 通絡消癥
*補正(補気・養血・滋陰・温陽)
*袪邪(清熱・化淡・祛瘀・利水)
婦人科の要薬(当帰)
当帰の名前にはこんなお話があるそうです。
『昔、子供に恵まれない女性が、これを飲むと元気になり、主人が家に帰ってきたら当たった(妊娠)した』
このように当帰は女性には欠かせない中薬です。
中医学的働き
活血・・・血の巡りをよくする
補血・・・血を補う
潤腸・・・腸を潤し、便通をよくする
調経・・・月経を整える
当帰のシロップ(婦宝当帰膠)
活血・・・当帰・川芎
補血・・・当帰・地黄・芍薬・阿膠 健康美人
補気・・・党参・黄耆
冷え症に対して温経散寒
足腰の冷えには+独歩顆粒など
冷えのぼせには+杞菊地黄丸など
貧血の立ちくらみ、ふらつきに対して養血
低体温なら+参茸補血丸など
高血圧なら+杞菊地黄丸など
生理不順に対して養血調経
月経痛なら+冠元顆粒など活血剤を
更年期なら二至丹や逍遥丸など
不妊症に対しても養血調経は重要 補腎・理気・活血など体質にあわせて
潤い不足はどこから 皮膚は層になっています。
表面の水不足・・・津液不足
↓
深い所の水不足・・・陰液不足
艶やかなお肌の為に
表皮 角質層・・・皮脂膜の強化(滑らかさや艶・外界からの刺激を防ぐ)
表皮細胞・・・保水力・皮膚の柔軟性
真皮・・・張り・弾力
皮下組織 毛細血管やリンパ管が通っいる・・・栄養する(皮膚を養う力)
中医でこんなもの使われています。紅沙棘・艶麗丹・紫煌珠・亀鹿仙
*肌は内臓の鏡といいます。
カサカサする時は粘膜も同じように乾きやすくなっている事も多いです。
もし粘膜の乾きが酷い時は内臓も乾いているかもしれません。
肌荒れはローションやクリームで解決するかもしれませんが内臓の荒れは大変です。
中医学では物質的基盤は陰に属するので、陰が虚してると考えます。
津液の不足より陰液の不足は更に深く重くなるのはその為です。
夏の暑さは気津の不足を引き起こし、さらに気陰の不足に発展します。
未病先防!いつも夏バテしやすい方はご相談すださい。