皆様 こんにちは。薬眞堂薬局です。薬眞堂薬局では40年以上の豊富な経験を持つ薬剤師がご相談を伺っております。
中医学漢方では陰陽の調和、気血津液・五臓六腑の円滑な機能の維持によって、恒常性が保たれ健康でいられると考えられています。それが崩れると体調も崩れ病気になる事もあります。
ですから中医学漢方において身体の状態の把握は重要なポイントです。不妊症・更年期障害・生理痛・生理不順など気血精の不足、また気血の巡りの悪い状態の事が多く、それには肝・腎・脾が深く関わります。腰痛・関節痛・坐骨神経痛も肝腎の衰えが元になっている事が多く、アトピー性皮膚炎は脾が関わっている事がよくあります。
このような中医漢方の見方に立ち、確かな弁証論治の力で 自然治癒力を高める身体作りをしていきませんか?
是非お気軽にご相談下さい。
めまいの漢方
西洋医学でめまいの原因は①脳②耳③自律神経のどれかという事になると思いますが、メニエルや良性発作性めまいなど耳鼻科領域のめまいが多いと思います
ただ、時に脳腫瘍など重大な病気がある場合もあるので注意が必要です
めまいがするとクラクラしてよく見えない・頭がぐるぐるする・いつもゆれている感じなど頭や目の症状として捉えるようです
身体の中の風が揺らしている(肝陽上亢)
風が吹くと木々の葉が揺れるように身体の中の風が揺らしてめまいになるという漢方特有の理論です
五臓の肝の主気は風です
『肝は血を蔵す』といい肝の体は陰血です
肝血・肝陰の不足により肝陽を抑える事ができなくなり上に昇って風をおこします
肝の興奮を抑えて風を消します
天麻・釣藤鈎は平肝熄風の働きがあります
この状態の基本に肝腎陰虚があるので繰り返す時は滋補肝腎の杞菊地黄丸などを常用すると良いです
頭に力が足りない(腎精不足)
脳は髄海といわれます
腎は精を蔵し、髄を生じ、髄海に通じるといいます
つまり髄海が腎精で充たされない状態です
老化や慢性病が関係する事が多いですが、目が回るというよりふらつく感じと伴に足腰に力が入らなかったりします
補腎薬をつかいますが、鹿茸のような動物生薬は補腎益精の働きがあり効き目もよいようです
気血が少なく頭まで届かない(気血不足)
気血の不足があるので動いたり疲れたりすると症状がでたり悪化したりします
血が不足するので滋養できない上に気の不足により頭部までエネルギーが行かない状態です
補気養血の漢方薬で気血を補います
痰濁が脳に気血が行くのを邪魔する(痰濁中阻)
中医学で痰とは咳で出てくるものだけの事ではありません
気・血・水という言葉は聞いた事があると思いますが、身体を構成する基本物質です
中医学では水を津液といい性状によって分けています
この津液は身体に必要なものですが余分なものとして身体に溜まると湿となります
顔がむくむ・足がむくむなど浮腫みも湿によります
脂っこい物や甘い物の摂りすぎなどで脾胃の運化機能が失調すると湿がドロドロして痰になります
その為『脾は痰を生む源』と言ったりします
だからこのタイプのめまいは吐き気を伴う事がよく見られます
この場合は化痰薬で痰を取り除きます
瘀血の為、頭に気が昇らない(瘀血内阻)
瘀血によるめまいとして考えられるのは脳血管障害やむち打ち症などの外傷です
その他産後におこるめまいは血虚血瘀の事が多いです
活血化瘀は必要です
瘀血に対しては日頃から血に巡りを良くしておく事が大切です
ストレスをためると気滞血瘀になります
身体を冷やしたり冷たい物を常食したりすると寒凝血瘀になります
気虚や血虚も血瘀につながります
流れている水は濁らないといいます
身体を動かし・冷やさず・温め・ストレスを発散し、少しづつでも活血化瘀の漢方を使っていくのも良いと思います