皆様 こんにちは。薬眞堂薬局です。薬眞堂薬局では40年以上の豊富な経験を持つ薬剤師がご相談を伺っております。
中医学漢方では陰陽の調和、気血津液・五臓六腑の円滑な機能の維持によって、恒常性が保たれ健康でいられると考えられています。それが崩れると体調も崩れ病気になる事もあります。
ですから中医学漢方において身体の状態の把握は重要なポイントです。不妊症・更年期障害・生理痛・生理不順など気血精の不足、また気血の巡りの悪い状態の事が多く、それには肝・腎・脾が深く関わります。腰痛・関節痛・坐骨神経痛も肝腎の衰えが元になっている事が多く、アトピー性皮膚炎は脾が関わっている事がよくあります。
このような中医漢方の見方に立ち、確かな弁証論治の力で 自然治癒力を高める身体作りをしていきませんか?
是非お気軽にご相談下さい。
COPD
COPDってなあに?
慢性閉塞性肺疾患とも言うのよ。
肺気腫や慢性気管支炎で呼吸困難があるものだそうよ。じゃあ 苦しいね。
肺に空気が充分入らないから息苦しいし、酷くなると酸素の吸入も必要になるし、心臓にも影響するのよ。
ぼくは少し喘息あるけど大丈夫?
気管支喘息とCOPDは別です。
肺気腫や慢性気管支炎の大多数がCOPDにあたります。
またCOPDの多くは喫煙者だそうです。
逆にいえば喫煙者の五人に一人がCOPDになるというから、禁煙は大事です。特に肺気腫や慢性気管支炎の診断をうけたり、息苦しさが出たりする人は禁煙すべきです。
慢性気管支炎は気道に浮腫が生じ狭くなり息苦しくなるし、肺気腫は肺胞壁が破壊されて息苦しくなるわけですがこの事を漢方的に考えるとどうでしょう?『痰を伴った咳がほとんど毎日、少なくとも年間3ヶ月以上続き、それが2年以上にわたるもの』というのが慢性気管支炎の定義だそうです。
中医漢方でCOPDを考えると 痰と炎症は痰湿や痰熱、気道の弱さは肺気虚、脾気虚と考える事ができます。気道は外界と身体の中をつなぐ通り道です。ですからそこに肺衛(衛気)が沢山集まって外邪の浸入を防御しています。その衛気の働きも弱くなっていると考えられます。・・・・衛気不足
痰に関しては量が多ければ脾に問題がある事が多いようです。脾は生痰の源(痰をつくる源)といわれ 脾の機能が弱ると痰が出来やすくなります。肺気腫は肺胞壁の破壊ですから、器質的な損傷という事になります。物質的な不足は漢方的には陰の不足です。肺陰は不足し、肺の呼吸機能が失調し、肺気は不足します。肺の気陰両虚という事になります。ですから漢方の運用においては滋陰と補気が中心になると思います。
慢性気管支炎の場合も気管支の粘膜の損傷(あれている状態)があれば肺陰の不足を伴うと思いますが、その不足状態は肺気腫の方が酷いといえます。さらに痰によって気道が塞がれば息ができないわけですから、化痰しなければなりません。肺の力が不足なら気を補い、また物質的損傷には陰を補う事が必要です。息苦しいのは呼吸がうまくいかないというわけですが、呼気は肺が主り、吸気は腎が主ってるので、吸気に問題があれば補腎が必要です。
年を重ねると伴に呼吸の少しは浅くなってきます。肺活量の多い人でも若い頃にくらべると落ちてくると思います。心は一生青春という思いでも体はいつまでも青春とはいきません。しかし 年をとればとるほど 体の若さに個人差がでてきます。これは腎の強さと 瘀血、痰湿という邪気の有る無しによって違ってくると考えます。ですから 体質+養生 が重要です。
生きる為に呼吸は不可欠です。呼吸ができず酸素が運ばれないないと脳は5分で機能停止するそうです。呼吸ができなければ死んでしまうと言うことです。肺と心臓は密接な関係です。肺静脈・肺動脈で結ばれていて、心臓から使い終わった酸素(CO2)が肺に向かって運び出され、肺から新しい酸素(O2)を運んでくるわけです。心臓はその酸素を全身に送り出しています。
息切れは肺の弱さの問題だけでなく心肺機能の衰えともいえます。漢方では『肺朝百脈(肺は百脈をあつめる)』といいますが、『心の血脈を主る』働きと通じると思います。紀元前からある漢方理論ですが心肺機能を的確に表現しているのを凄い と思いませんか?
また、『肺は一身の気を主る』といい肺の機能低下は五臓すべてに影響があるといえます。
老化や吸気に問題があれば腎を
痰が多ければ『生痰の源』の脾を
動悸を伴ったりや睡眠の質が悪いなどがあれば心を
緊張やストレスによる悪化があれば肝を考えにいれます。
また肺は嬌臓といって外界に接する病気の入り込みやすい臓器です。現に インフルエンザ・肺炎・大気汚染などがCOPDの悪化の要因になっています。早めの去邪を心がける事も酷くしないコツだと思います。未病に対応できる漢方は身体を助ける力になります。