ご挨拶

薬眞堂薬局 小手指店店内 皆様 こんにちは。薬眞堂薬局です。薬眞堂薬局では40年以上の豊富な経験を持つ薬剤師がご相談を伺っております。

 中医学漢方では陰陽の調和、気血津液・五臓六腑の円滑な機能の維持によって、恒常性が保たれ健康でいられると考えられています。それが崩れると体調も崩れ病気になる事もあります。

 ですから中医学漢方において身体の状態の把握は重要なポイントです。不妊症・更年期障害・生理痛・生理不順など気血精の不足、また気血の巡りの悪い状態の事が多く、それには肝・腎・脾が深く関わります。腰痛・関節痛・坐骨神経痛も肝腎の衰えが元になっている事が多く、アトピー性皮膚炎は脾が関わっている事がよくあります。

 このような中医漢方の見方に立ち、確かな弁証論治の力で 自然治癒力を高める身体作りをしていきませんか?

 是非お気軽にご相談下さい。

薬眞堂薬局からのお知らせ!

■このたび小手指店と狭山台店は統合移転致しました。
移転の為暫くお休みを頂きご不便をおかけしましたが、新装開店いたしましたのでお知らせします。
住所と電話は以下の通りです。

住所 狭山市中央3-2-20
電話 04-2003-1862

■厳しい暑さが続いていますので身体は乾きがちになります。
スイカ・メロン・きゅうり・ゴーヤ・梨など潤す食材とるようにしてください。
又、汗と一緒に気も流れ出てしまうので、疲れを感じる前に麦味参顆粒を利用してください。

       

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子宝相談

中医学漢方で身体づくりしましょう。

元気な赤ちゃん 中医学漢方で身体作りするならば、中医学漢方の理論が大切です。何故なら、薬効で使うのでなく、身体のバランスのひずみを少しでも改善する為のアプローチだからです。

 

 

二七にして天癸至り、任脈通じ、太衝の脈盛んにして、月事時を以って下る。故に子有り。

 月事時を以ってくだるとは月経がはじまるという意味です。腎は生長・発育・生殖を主るといって、人の発育は腎気の充実を関係しています。二七(14歳)くらいになると腎気は益々盛んになって天癸(生殖機能の成熟を促す物質で腎気と密接な関係がある)至りる。

 そして衝任の二脈に通じて子供できるようになります。これは脾・肝・腎と血海(胞宮)をつないでいます。ですから生殖機能において腎は重要ですが、肝・脾も重要です。ただし五臓は相生相克で関係している事も忘れてはいけません。また督脈・帯脈も胞宮の正常な生理機能の保持に大切です。

月経周期に合わせて漢方を考える。

妊娠中 基礎体温をみると女性の身体には周期がある事がわかります。ちょうど夜と昼が繰り返しくるように、低温期と高温期が繰り替えされます。低温期は陰 高温期は陽の時期にあたります。

 また月経期は陽が極まって陰に転化、排卵期は陰が極まって陽に転化するという動きのある時期です。この考えに合わせて漢方や漢方食品を運用していきます。

痰湿瘀血が正常な営みを邪魔している。

 痰湿や瘀血は経絡や血脈の気血の流れを阻害するものです。これらは病理副産物ですが、なぜこの状態になったかを考えて 解消する必要があります。

寒と熱

 胞宮をとりまく環境は冷えも熱もよくありません。冷えて血行がわるくなれば瘀血のもとですし、熱は気や精血の消耗につながります。熱はストレスと関係した肝鬱化火や陰虚による虚熱、また 血熱や心肝火旺などいろいろな状態が考えられます。

 自分の状態を知って身体づくりしましょう。

平成30年5月 勉強会

『耳鳴り』・・・中医学における実際(成都耳鼻科研修より)

成都中医薬大学付属病院で耳鼻科の研修をしました。
『耳鳴り』に対して問診・脈診
望診―舌診・(耳の中・鼻の中の望診)
もちろん、顔色・表情・体つき・姿勢をみるのも望診です。

 

 

 

 

 

 

 

聞診は声の力など聞いて得る情報です。
四診合算して処方を決定します。

耳鳴りでも必ず鼻の中も見ます。
耳・鼻・喉はつながっているので関係しているからだそうです。
耳鳴りにも鼻淵丸の主薬である蒼耳子や辛夷も使っていました。
蒼耳子はオナモミの成熟種子で散風通竅に働きます。
「諸子みな降るも、蒼耳ひとり昇る」といって上の方で働くそうです。
通鼻竅とは鼻の竅(あな)を通じさせるという意味で耳や鼻の詰まりに使えるという事だと思います。
蒼耳子は袪風湿薬の1つで辛夷も散風や通鼻に働きますが解表薬に分類されていて鼻中心のようです。
そういえば、蒼耳子に耳の字がはいっているのは何でだろう?もしかして始めは耳に使われていた?

基本は煎じ薬で、煎じ薬プラス中成薬(これは市販品のようにエキス剤などそのまま飲めるタイプの漢方薬の事です。)の組み合わせもありました。

処方は 散風…風邪を散じる
疎肝…耳の周りは少陽胆経の経絡がある所です。気の流れをスムーズにする。
袪湿、利水、勝湿、化湿など また、三焦経もまた耳の周囲を通ります。
活血通絡…通じざれば則ち痛む。通路を開通する。
補腎…腎は耳に開竅する。
養心安神…耳鳴りは不眠と関係が深い。

散風薬には羗活・白芷・川芎・荊芥・防風など頂調顆粒(川芎茶調散)のような中薬が多く使われていました。
疎肝に関して柴胡中心です。柴胡は少陽(胆・三焦)に停留した邪を表まで引っ張り出す透表という働きがあるからです。
活血に関しては内臓の問題がなければ川芎がよく使われていたのでここでも頂調顆粒が使えます。
通絡は活血以上に必要だと感じました。
地竜・キレンソウ・徐長卿などつかわれていましたが、活楽宝が通絡のものを多く使ってあるので代用できそうです。
あと利水・袪湿など湿をさばくのに益気利水の黄耆を大量に使うケースが多く見られました。
特に耳鳴りが鼻や咽も関係しているなら黄耆が6g入れてある衛益顆粒も必要だと思います。

1日目は宋先生の診察室でした。
宋先生は「突発性難聴は早期に鍼すると改善できる。また鼻と聴力に問題のない神経性の耳鳴りは鍼が効果的です。」と話していました。

身体にも刺す人は鍼灸室で行い、耳の周り・頭の上・首の後ろ・腕と手の甲に刺す人はその場で使い捨て針の封をきって3分くらいでさしてしまいます。
そこに座っていた中年の女性は
「山東省からきました。
治療していましたが聴こえなくなってしまいここにきました。
今日で針治療10日目です。
だいぶ聴こえるようになりました。」と話ていました。

耳の役割は外耳が音を集め、中耳が空気の振動を内耳液に伝え、内耳は内耳液の振動を電気的信号に変えて内耳神経から脳に伝えます。
この1連の振動の送りのどこかがうまく行かなくなると耳鳴りや難聴になります。
つまり大きく分けると以下のパターンが考えられます。
①耳に問題がある
②伝える神経に問題がある
③受けとる脳に問題がある。

中医の先生も「睡眠状態が回復すると耳鳴りも緩和する」と話しておられました。
ですから睡眠の良くない患者さんにたいしては散風薬に酸棗仁のような安神剤を加えていました。

また浸出液があったり、痰や洟がある時は利水・袪湿・袪痰など、あるいは益気利水の方法も加える必要があります。

浸出性中耳炎は治りにくい病気で、抗生物質を長期に服用するようですが、耳鳴りを伴う事もあります。これは外邪との関連しています。耳の痛みや耳の詰まり感、また鼻水鼻づまりなど鼻炎を伴う時など散風・袪風湿・清熱解毒などの方法が必要になります。
また、風邪が少陽経(三焦・胆)に入ると胆と肝は臓腑の関係なので肝の経絡である耳に影響が及び鬱熱があれば柴胡・黄芩も加えて少陽の鬱熱を清します。

実際、老中医(優れた医師の称号)熊大経教授の処方も柴胡・黄芩に頂調顆粒のような散風薬が使われ、更に外邪を防御するため玉屏風散(衛益顆粒)の方意も含む事も多く見られました。

熊先生は講義のなかで『邪の湊(あつま)るところ、その気必ず虚す』と黄帝内経の一文を引用され鼻は外邪の侵入経路ですので邪の集まる所と話しました。
鼻・咽・耳の耳鼻科領域は空気と接しているので細菌やウイルス・ほこり・花粉・ダニ・真菌など沢山の外邪に対し防ぐ事をしなくてはなりません。
その為 気血両虚・気陰両虚の人には必ず黄耆を多くくわえます。

 

 

 

 

 

 

老化による耳鳴りは腎と関係しています。
老化の耳鳴りとは感覚器の衰えですから虚証の耳鳴りです。
これは夜静かになったときに感じる耳鳴りです。
目は肝・耳は腎に開竅しているのでの肝腎虚です。
だから、肝腎を補うことが大切です。
そうすれば老化による難聴の速度をゆるめる事ができます。

しかし昼でも気になるとか、人と話していても気になるなどの耳鳴りは肝腎の衰えだけでなく神経系や脳からの耳鳴りも関係しています。
補腎薬に安神の漢方や活血通絡の漢方も加えます。

すぐ良くなるものではありませんが身体にも力がつくので気長に使って行って下さい。