♪どんなに~どんなに~♪
はなれていても~♪ ♪ぼくはきみを~わすれはしない~♪
♪なつになると~ おもいだす~♪きみとあるいたあのなぎさ~♪
♪せ~つな~くっ ♪うずく み~~ずむしは♪
き~みと~ぼくとの♪ あいのしるし♪
青春時代に流行った歌ですが知ってますか?毎年毎年やってくる水虫のかゆみ!水虫やたむしをおこす白癬菌はカビの仲間です。だから、ジトジトして蒸し暑い季節が大好きです。繁殖力が大盛になって菌糸をのばしていきます。毎年水虫になるのは冬の間もずっと角質に白癬菌が潜んでいたか?あるいは誰かからうつったか?という事です。表面的に治ったと思っても角質に住み着いているので、角質の新陳代謝がすむまでしっかり治療しなければなりません。
最近は1日1回の塗布で良いような抗真菌薬がでていますが、抗生物質と同じで耐性菌出現の問題もあります。漢方の水虫の塗り薬は水虫の住まいの角質を柔らかくして、蝋梅油でアタックするものです。まめに擦りこんで完治をめざしましょう。温かくなってきたら入浴する時に青森ヒバのオイルをいれましょう。近畿大学の研究で青森ヒバのオイルには抗真菌作用がある事がわかっています。しかも皮膚刺激がないので安心、檜のかおりもしてリラックスして入浴できます。水虫の改善に役立つばかりでなく、予防にもなります。
水虫は高温多湿の環境が大好きですから、人においては湿熱タイプ・湿濁タイプの人が水虫になりやすいといえます。
脾虚湿生
身体に湿が溜まりやすい時に問題になるのは脾・肺・腎です。脾は水の運化作用・肺は水道作用・腎は水を主るといわれます。暴飲暴食すると脾の運化作用も失調しますし、痰湿もたまりやすくなります。湿度が高くなってくると、その影響をうけて胃腸の働きがわるくなったり、身体が重だるくなります。その場合芳香化湿の藿香などの入ったものを使います。体質的に胃腸が弱く下痢やむかつき、胃痛などの症状がでやすい人は普段から健脾して脾臓の働きをアップしておくと良いです。また 食養生として五行草茶をのんでいくと良いです。五行草茶は馬歯莧という植物のエキスで古来から赤痢の特効薬とされてきたものです。現代ではジュクジュク型の皮膚炎になりやすい人にも良く使われます。
水虫はうつるものですが、24時間以内に洗浄すれば大丈夫といわれています。つまり毎日お風呂に入っている人はうつらないといえます。しかし皮膚のバリア機能が落ちた人は同じでないと思います。バリアのある肌とは皮脂分泌もしっかりしていて、皮脂膜も整い潤いを保っています。だから水虫はすぐ角質に入る事はできません。お風呂で洗い流されて終わりです。
革靴を1日履いていると足が蒸れやすくなります。だからと言って水虫になるわけではありませんが、条件は整っています。靴の中を乾かす。汗を吸いやすい綿の靴下をはく。などく心がけましょう。水は上から下に流れるので脾の運化、昇清の働きが弱い人は夕方疲れてくると足が浮腫んできます。年配者も足が浮腫んでいる事がよくあります。その場合『腎の水を主る』機能が弱っている場合が多く、また心腎不交で心陽が降りず腎水が上がらない場合もあります。皮膚のバリア機能も弱り、新陳代謝が悪く角質が厚くなり、結果的に水虫の棲家をふやしてしまいます。
完治をめざして…
もちろん、毎日足を洗う・足を乾かす・蒸れる靴に注意・足に汗をかいたら靴下を履きかえるなども大切です。体質改善とまめなお手入れで完治をめざしましょう。
耳鳴りで悩む人は多くいます。突発性難聴のように耳鼻科での治療が必要な耳鳴りもありますし、聴神経腫瘍のように時に脳神経外科で手術が必要な時もあります。でも殆どが老化による耳鳴りとストレスによる心因性の耳鳴りです。実際ない音を聞いているのは脳です。
以前テレビである実験をしました。音の全くしない録音室に耳鳴りのない人達に入ってもらいました。すると全員が耳鳴りを感じました。聞こえない音を脳のセンサーが聞こうとしてしまうのが耳鳴りとなって現れるのだそうです。
以前、公園で若者がたむろすのを防ぐのにモスキート音を流すという事をニュースでやっていました。若者には聴こえて一般には聴こえない音?へーって思いませんでしたか?音の聴こえは年齢によって違うそうです。特に高周波の音は聞こえなくなってきます。かこういった事から耳の老化が耳鳴りと関係しているのだと納得できます。老化による耳鳴りは耳の聞こえ方の衰えと関係しているわけですから、耳が遠くなってくる(難聴の始まりともいえます。
その耳鳴りは老化?
「その耳鳴りは老化です。と耳鼻科で言われた。だから仕方ないよ。」
本当に仕方ないで良いのですか?中医学には老化を少しでも遅くする理論があります。『腎は耳に開竅する。』・・・つまり腎の衰えは耳に表れるという意味です。腎とは西洋医学の腎臓の事ではありません。『自然界に五行があり 人に五臓がある』五行学説にある五臓の腎です。腎は精を蔵し 生長・発育・生殖を主るといい、人の生命エネルギーの基盤となる精を貯えていて、発育や生殖に関係し腎気の充実が老化の速度を抑える力になっています。
「腎の衰えは耳に表れるわけだから、耳鳴りは腎が衰えてきてるのを知らせてくれてるんな。腎が衰えると腎の府の腰も弱くなるし、骨も腎が主るっていうから骨も弱くなってきてるのかな?腎は髄を生じるというから骨髄・脊髄・脳髄の不足も考えなくちゃいけないし。これを期に補腎していこう」と考えてみるのはどうでしょうか?
ストレスによる耳鳴り
次にストレスによる耳鳴りです。脳が音を感じているならストレス脳の音をキャッチする部分が興奮しているとやはり耳鳴りとして聴こえるのも納得できると思います。
一般にいう老化の耳鳴りは腎虚の耳鳴りで静かになった時サーサーという感じに聴こえもので生活の支障にはなりません。昼間も気になる耳鳴りは中医学では肝と関係しています。『肝は疎泄を主る』といい身体の気機の調節と関係しています。目に開竅するといいますが、気機の調節をしているので感覚器は肝と強く関係しています。また肝腎同源といい、肝は腎と密接な関係があります。人の声が聞こえないような、テレビの声の邪魔になるような耳鳴りは肝火の事が殆どです。
他に、瘀血や痰湿があります。つまり耳を取り巻く血の巡りが悪い時におこる耳鳴りです。巡りが悪ければ浮腫をおこす事もあります。「血の流れる音が聞こえる」とか「脈打つ音がする」言われる方がいらっしゃいますが、肝気鬱結や肝火または肝陽上亢のことが多いようです。そう言う状態は気滞血瘀といい血の巡りにも問題がでやすくなります。また血圧上がると耳鳴りもおきる場合もあります。中医学でその状況は肝陽上亢や肝火上炎でそれに瘀血阻滞が伴う事も多く見られます。
まとめると
①耳鳴りは腎の衰えのセンサー!
②肝の異常により神経が高ぶると音が高くなったり、大きくなったり。
衰えは時間をかけて補!
興奮(火)は早めに瀉!
同時に瘀があれば通!
大腸の粘膜に慢性の炎症がおこる原因不明の難病です。直腸から発症し炎症が広がっていきます。軽症では炎症部位は直腸の辺りで症状は血便です。更に左結腸全体に炎症が広がると血便の他、下痢や下腹部痛もおこります。大腸全体に炎症が広がると、重症の場合は血性の激しい下痢、腹痛、発熱、頻脈、脱水を起こす事もあります。
投薬治療が奏効しない場合は大腸の切除手術を行います。また、血液透析によって白血球を除去する方法でよくなってくる場合もあるそうです。投薬治療は主に炎症を抑える薬を使います。急性期と緩快期を繰り返しなかなかよくならない疾患です。遺伝性、ストレス、肉体疲労が要因と考えられています。
これを中医学で考えてみましょう。軽度でも重度でも血便はあるので血証の範疇でみることができます。さらに泄瀉、腹痛も考えます。血液の交換で症状が改善する事があるのなら、病は深く血分まで及んでいると考えられます。そうであるなら涼血薬を使うのが良いと思います。槐角丸や清営顆粒は涼血薬が使われた方剤です。特に槐角・地楡は涼血止血の働きがあります。中医内科学では便血を腸道湿熱と脾胃虚寒に分けています。
『腸道湿熱の場合便血は鮮紅色ですっきり排便できず、ドロドロした軟便で 腹痛があったり口に苦味を感じたりする。その時は槐角丸を中心に加減して使う。』と書いてあります。加える方剤として、ストレスが要因なら疏肝や理気を加えた方が良いでしょうし、肉体疲労が要因なら気血不足や肝腎不足なども考慮した方が良いと思われます。難治性の炎症、潰瘍と考えるなら治癒力の低下を考えないわけにいきません。それには托瘡生肌の働きを有する黄耆製剤も加えると良いと思います。
いずれにせよ中医学の見方から病因を考えなくてはなりません。そうして、何故、現症状になったのか?病機(発展のメカニズム)を考察します。ノロウイルスとかの外邪によって胃腸炎を起こした事がきっかけかもしれないし、お酒や過食や辛いものの食べすぎかもしれないし、ストレスかもしれないし、過労かもしれないし、素体の弱さからかもしれないし・・・このことを知ることが中医学によって方剤を使いこなし治癒に導くのに重要な事なのです。