また、杜仲茶がテレビで取り上げられました。ドラッグストアーの杜仲茶は一日で売りきれだそうです。内臓肥満を減らすという事を現実的にみせられれば、視聴者が買いに走るのは無理無いと思います。以前ダイエットに杜仲茶がいいと言う番組が放送されたときも、売りきれ続出でした。その後一年もたたないうちに飲んでいる人は激減し、杜仲は本来の使われ方にもどっていきました。
なぜ使う人が減ったの?
もう全員痩せたから?
中医学で杜仲は肝腎不足タイプにたいして降脂の目的にも使われます。漢方で杜仲は樹皮を用い、肝腎を補い、筋や骨を強め、固経安胎(経脈をしっかりさせて胎児を安定させる)働きがあります。温性なので冷えるタイプにむきます。杜仲茶は杜仲の葉です。ある程度杜仲の働きを持っているようです。
1979年発行の漢薬の臨床応用という中国の中薬学を訳した本に杜仲がラットの腸管からコレステロールの吸収を減少させるようだという一文がのっています。
もうすでに杜仲の薬理学実験がおこなわれていたんだなー!
しかし中医学では これを見て、証を見ず杜仲を使うことはありません。内臓肥満といって原因・体型などちがいがあります。原因を見てみると大食・偏食・ストレス・運動不足・生活リズムの乱れなど・・・体型は全体に肥っているときもあれば、一見痩せ型でお腹のまわりだけ出ている時もありましす。また、肥リ方も人によって違います。でも、直接的な原因は食と運動でしょう。
風邪で熱をだしたりしておかゆしか食べなかったり、お腹をこわして食べれなかったりした時ウエストが少しゆるくなった経験があると思います。内臓肥満・肥満・高脂血症は脂が身体にたまってしまったものです。津液が停滞し飲となり、飲が凝集して痰になります。痰濁が内部に集結して油脂の塊になります。中医学で見ると痰は内臓脂肪の元ということになります。
痰はどうやってつくられるのでしょう?『脾は生痰の源』〔脾は痰をつくる源(みなもと)〕といわれていています。この事は「脾は運化を主る」と関係していて、脾の正常な運行がなんらかの原因で阻害されると痰が出来てしまいます。
内臓肥満で一番多いのは食べ過ぎだと思います。自分がエネルギーに変えれる分以上に食べているので身体に蓄積してしまった…ということです。つまり食積です。以前食積については書きましたが是に対しては消食導滞の働きのあるものをつかいます。
山査子は代表選手といえます。油膩の消導に使うからです。ですから食事によって積もったものを取り除くには山査子・神麹・麦芽でできた晶三仙があっています。でも新しく積んでいかないようにしないといけません。一方から積み出しているのにもう一方からどんどん入れてたのでは埒があきません。
人の身体を滋養する血や精は命の源ともいえます。エネルギーの原動力になるものです。機関車を動かすには石炭が必要です。肝は血の貯蔵庫は・腎は精の貯蔵庫です。だから肝腎不足は精血の不足で、原動力の不足により代謝が弱まります。その為に内臓肥満になっているときは肝腎を補う事が必要です。そこで補肝腎の働きがあり脂質の代謝に関りのある杜仲・何首烏・枸杞子などを使います。その他、痰湿・お血・脾虚・気滞など考えられます。
内臓肥満というピンポイントに着目して何を飲んだら効くとか効かないとかいうのでなく、まず何故内臓肥満になったのかを考えましょう。内臓肥満だけに着目するなら極端な事をいえば吸引したりの手術でとれるなら取ってしまえば解決です。
でも自分の身体・自分の健康ですよね!
身体を治そうと思うなら自分が治そうとしなくてどうするんですか?
食事の見なおし・生活リズムの改善・運動を基本とし原因に基づいた漢方選びをし、身体自体を改善していく事が内臓肥満解消の道だと思います。