漢方も温・散寒などと伴に、補血益精(陰を補う)を心がけます。陽気は代謝する力ですが、エネルギーを燃やすには原料が必要だからです。寒を散じるばかりではエネルギー源を補う事ができません。もし、火がくすぶってうまく燃えない時はどうするでしょう?もし 火がくすぶっていて燃えにくいなら可燃剤を加える事もあるしでしょう。でも燃えるつきて足りなければ薪をくべます。どちらも必要です。陽に対し陰は必要です。陰陽は根は同じです。陰があり、陽があります。漢方を使う時の考え方も同じです。冬は陽気を補い、しっかり陰(血や精)も補いましょう。
今、はやりの生姜も身体を温めます。ただ 少し前に生姜をとりあげましたが、陽気を守ると言う意味では乾姜といって干した生姜が適します。生のしょうがは散寒解表といって発汗して寒邪に対抗し陽気を保護します。でも発汗という意味では内なる力を消耗する場合もあります。
ですから
生姜は走(ゆ)きて 守らず
乾姜はよく走(ゆ)き よく守るといい
炮姜は守りて 走(ゆ)かずといいます。
炮姜(ほうきょう)は乾姜を炮じて炭化させたものの事です。
ですから冬に陽気を守るには是非干した生姜を使ってください。生姜を干してアルコールと砂糖でつけるか、はちみつにつけるかしてお湯をそそいで飲むとあたたまり
冬は寒い!・・・それって当たり前? 寒い!冷える! 寒いは陽気を消耗します。寒い時、身は体温を保とうと働いてくれています。熱エネルギーを産生してくれています。寒い中で凍死してしまうのは消耗がすすんで それ以上体温を保てなくなってしまうからです。漢方の陽気はこの熱エネルギーだったり、新陳代謝力だったり、身体の機能を保つエネルギーの事です。
ですから陽気の有る無しは生命にかかわります。冬は陽気を守る事が第一です。陽気を守る事が消耗を防ぐ事で、元気でいられる秘訣です。
冬は温かくしておく事・・・当たり前のようで大事なことです。お腹や足もとも温かくしておきましょう。
温かく栄養価の高い物を食べる事・・・でも食べ過ぎてはいけません。食べ過ぎて脾胃を傷つけたなら気血が作り出せないからです。つまり陽気もつくりだせません。
沢山汗をかくような運動は避け、汗をかいたら速やかに着替えましょう。
黄帝内経の冬の養生に以下のように書かれています。
去寒就温、無泄皮膚
寒さを避け温かくしてすごす、皮膚の閉じている毛穴をひらいてむやみに汗をかくような事をし、体内に貯えられている陽気を消耗してはならない。・・・という意味