その疲れはどこから?

疲れた-!
疲れるとでてくる色々な症状はどうしてでてくるのでしょう?
特にハードな運動や仕事をこなしたわけではないのにこの疲労感は何でしょう?

 疲れは気と関係があります。気はエネルギー的なものだからです。気の不足・気が流れないで停滞している状態など疲労感と関係しています。また、気の素になる血や精が不足しても気の生成ができません。この事は五臓の弱りとも関係しています。

 夏バテがでてくる時期です。夏は心の季で五行で

グーっとドリンク1本元気でますよ!
ホント!元気!元気!

 というようにいつでもいくわけではありません。

とれにくい疲れはどこからきているのでしょう?
また、疲れ易くなっているのはどうしてでしょう?

 疲れるとでてくる色々は火です。火は熱で人を乾かします。自然の中で乾燥させるものに火と風があります。夏は心火は強くなりやすく心陰はへりやすい!そればかりでなく全体の陰液や津液も不足がちになります。ですから夏バテは中医学でいうと気陰両虚や気津両虚が多いといえます。

「疲れがとれないし、動悸がする」
「疲れがとれないし、ほてり感がある」
「疲れがとれないし、咽がカサカサする」
「疲れがとれないし、髪や肌がパサパサ」

 気と陰津が不足していそうです。気と陰津を補えるものに、漢方では生脈散(麦味参顆粒)、漢方ハーブでは西洋人参(香西洋参)があります。

 夏にビールやジュースなど冷たい飲み物ばかりのんでいたり、食事も冷麺・そうめん・冷麦・冷シャブ・サラダなど冷たい物を多くとると寒湿がたまります。寒湿は冷たい湿気の事で、冷えて脾胃の働きが停滞してしまう状態になります。脾は気血生化の源(気血を作るみなもと)ですから、当然気は不足します。この時の『疲れ感』は脾がよわっている事からきています。『脾は運化を主る』ため栄養分の吸収や輸送状態が悪いのみならず水液代謝も悪くなります。つまり、身体に余分な湿がたまるという事です。

 脾は湿を嫌うので、清気を上昇する事がでなくて、「眠くてしかたない」と言う状態になったり、時にめまいがしたりします。余分な湿があるわけですから身体は重だるくなります。胃腸の働きも弱って“食欲がない・軟便や下痢っぽい・お腹がゴロゴロいう”などの症状がでます。この時、寒湿を除くだけで症状が快復する時と脾を元気にする為健脾が必要な時とあります。もし、それほど働いたわけでもなく、それほどの運動をしたわけでもないのに疲労感が強い時は、すごく神経を使った場合も多いと思います。

 血虚タイプの人は精神的な疲労になりやすいです。それは肝が弱い為です。

肝蔵血・・・肝は血を貯める所です。

 肝の機能が弱ければ蔵血も出来ない事になります。また、

肝主疏泄・・・肝は疏泄をつかさどる

 つまり、気というエネルギーが身体中をスムースに巡るようにコントロールする働きのようなものですが、肝の弱りにより この働きもうまくいかなくなります。気は不足しているのでなく

行き渡らない・・・その為の疲労感です。

 この時はイライラやゆううつ感・眠りが浅いなどの症状を伴ったり、お腹や脇など脹って痛む症状を伴ったりします。その時は肝の疏泄改善する(疏肝)とともに、停滞した気を巡らす(理気)しながら足りない気血を補います。