インフルエンザが流行しています。お店のある学区の小学校は今週の月曜日は学校閉鎖だったそうです。これまで学級閉鎖はありましたが、学校閉鎖は初めての事で大変な状況になっている事が伺えます。おそらく金曜日くらいに、インフルエンザで欠席した子供が大分多かったと思われます。テレビでA型といわれたら、ほぼ新型に間違えないと思われる・・・と言っていました。
子供の間の流行とは別に、普通感冒も多いようです。寒暖の差が大きいと、汗が冷えてとか、うっかり薄着で寒いなと思っていたらとかで風邪気味になるようです。風邪ばかりでなく体調に不安を感じたり、イライラしたりも多くなっています。その中に新型インフルエンザにたいする不安も入っているようにおもわれます。こういう時期こそ、養生をして病気に対抗できる身体づくりをしましょう。中医学では病気と戦う力は正気です。また病気を身体に入れない力(防衛力)は衛気です。衛気や正気の充実を考えましょう。
私たちは大昔から感染症と戦ってきました。抗生物質ができてから、感染症の死亡率が激減しました。近年、抗ウイルス薬が開発されてきています。タミフルやリレンザも数年前まではありませんでした。ウイルスをやっつける薬のない時代は私たちは自己の免疫力でウイルスと戦ってきました。さらに昔は抗生物質もなく、健康は病原菌に打ち勝てるかどうかにかかっていました。養生が中心にかかれている黄帝内経には長生きの為の養生、即ち病原菌を寄せ付けない身体づくりについて書かれているわけです。
正気を衰えないようにしていきには、いかにしたら良いか?
本質的には規則正しい生活・好き嫌いなくよくかんで温かい物を頂く・充分に睡眠をとる・心を穏やかに保つ・・・など現在でもよく言われる事が中心です。
一昨日の夕刊に新型インフルエンザにかかりインフルエンザ脳症を発症した人が7月から10月の3ヶ月間に50人におよんでいるとの事です。喘息などの基礎疾患のある人や既往症のある人が重症化しやすいことや48時間以内にインフルエンザ治療薬を服用しても重症化している事などが書かれていました。大変な状況ですが軽くすむ人もいるようですから、心配しすぎずに予防対策をしっかり行う事が大切です。
インフルエンザはウイルスです。昔、『一生の大病』とされたはしか(麻疹)と同じです。私も妹もはしかは烏犀角という薬で治したそうです。(現在烏犀角の中にはいっている犀角はワシントン条約で希少動物保護の為、禁止になっています。)
「はしかの時は風にあててはいけない」
「強い解熱剤を使ってはいけない」・・・と両親にいわれていました。
これまで子供がインフルエンザにかかった時はウイルスなので同じだと考えて対処してきました
「子供がインフルエンザだったのに、うつらなかった。」
「兄弟がインフルエンザだったけど、この子はうつらなかった」
とかあります。
空気感染なのに何故?
抗体があったから?
実際どうなってるか、身体のなかを開いて覗く事はできません。同じ家の中ですごしているわけですし、ウイルスが身体にまるっきり入らなかったというのも不自然だと思います。だとすると、身体はウイルスと戦い、増えないうちに押さえ込む事に成功したのかもしれません。その可能性は大きいと思います。昔、小学校に入ってツベルクリンをしました。私は陽性でした。結核をしたわけではありません。自然陽転してたわけです。
漢方で病邪との戦いは邪正闘争です。邪気と正気が戦います。邪気が小さければ簡単に正気が勝ちます。また正気が強ければ簡単邪気に勝てます。正気をどうやって鼓舞するかが、漢方薬の使いこなしです。
インフルエンザに対し、漢方の本場中国でのこんな記事が東洋学術出版社のホームページにでていたのでお知らせします。興味のある方はクリックしてみてください。
■http://www.chuui.co.jp/cnews/001658.php クリックしてみましたか?
このカプセルの中身をみると日ごろ馴染みのものが使われています。
・連翹・金銀花・炙麻黄・炒苦杏仁・石膏・板藍根・錦馬貫衆・魚腥草・広藿香・大黄・紅景天・薄荷脳・甘草が中身ですが
連翹・金銀花・・・天津感冒片・涼解楽の主薬
麻黄・石膏・杏仁・甘草=麻杏甘石湯=喘咳散
板藍根=板藍茶
魚腥草=どくだみ
藿香・・・勝湿顆粒の主薬
大黄・甘草=大甘丸
紅景天=香ロゼア
です。板藍根茶は風予防のお茶として皆さんがよく使われています。香ロゼアは気力、集中力、体力が弱った時に‘根っこなのにバラの花の香がするお茶‘として皆様に愛飲されているものです。
チャイナビュー
今月の『漢方の知恵袋』はインフルエンザに負けない身体づくりです。
身体の抵抗力に肺・脾・腎の養生が大切という事が書かれています。
充分な睡眠と養生法に沿った食生活で身体を整え、適度な運動、予防のため、マスク・手洗いを励行し、板藍根のお茶を飲みましょう。
漢方には板藍根の他、清熱解毒の働きの植物が沢山あります。
いろいろ工夫して養生していきましょう。