こむら返り(足がつる)

足がつった・・・という経験のある人は多いと思います

私も数年前まではよく山歩きをしていましたが下山途中や降りてからよく足がつっていました
山歩きの時は必ず麦味参顆粒と芍薬甘草湯を持っていました
つった時は芍薬甘草湯を飲むとすぐに楽になってきます
湯の丸山上った時は日陰がなくて暑くて大変でしたが、降りてきた時にやっぱり足がつりました
芍薬甘草湯をのんでもすぐに治らず麦味参顆粒とイオン飲料ものんでやっと楽になった事があります
多分足の疲労だけでなく脱水ぎみになっていたのだと思います

足がつるのは筋肉の収縮の調節に関わっているマグネシウムやカルシウムなどの電解質の不足により神経の伝達がうまくいかなくなるからだそうです

病院で芍薬甘草湯を出してもらっている方も多いようですが、芍薬甘草湯は中医学的にはどんな漢方なのでしょうか?
芍薬と甘草の2味で構成されていて方剤学を見ると肝陰不足と肝気乗脾の為におきる腹中のけいれん痛や四肢の筋肉のひきつりに対して使い、効能は柔肝解痙・緩急止痛とかいてあります
これは肝の機能を柔軟にして痙攣を解き・緊急な状態を緩めて痛みをとめるという意味です
けいれんやひきつり原因については
①肝の陰血不足により肝気を抑制できない・・・筋脈が濡養できない
②肝気が脾虚に乗じて横逆・・・脾気阻滞・・・陰血不足・・・筋脈が濡養できない

つまり『肝は血を蔵す』『肝は疏泄を主る』『肝は筋を主る』など五臓の肝は重要なポイントになります
また、『肝は脾を克す』で脾の事も考えなければなりません
さらに『脾は肌肉を主る』ですから筋肉は肝と脾が一緒に司っているともいえます

急な状態に対して芍薬甘草湯ですが、その原因となる肝血・肝陰を補う事や肝気のコントロールや脾気を高める事が根本療法になります
血虚タイプの人は日頃 婦宝当帰膠やエッキ・フラーリンQなど補血薬を使っておくと良いです

「血の巡り」も大事な要素です
血の不足がなくても血が巡って来なければ筋肉は濡養されません
寝ている時につる人はレッグウォーマーをはいて寝てみて下さい
足が冷える人が活血化瘀薬や散寒剤など服用してください

疲労と津液不足の時もあります
ちょうど私が山を下山した時麦味参顆粒とイオン飲料で治った時みたいに・・
日頃の運動で体力をつける事と脾・肺に力をつけておく事も大事です
水液代謝と関係しているのは脾・肺・腎の3つです
身体の保水力が不足すると筋肉を潤わす力も不足します

芍薬甘草湯はつってしまった時によく効く漢方薬ですが、急な状態の時に使うもので長期に服用するものではないので、日頃補血薬や滋陰薬を服用したり・水液代謝を整えたり・運動・温めるなどの養生が大事です