平成29年6月18日 中医学の勉強会
『中医腫瘍ケア講座』 (広島大学名誉教授 仲田義啓先生をお迎えし 日本橋兜町でおこなわれました)
霊芝胞子と木鶏の薬理研究・・・・・・仲田義啓先生
薬物治療学の観点から 薬が効くとは?
・薬が効くあるいは効かないの判定は?
・低濃度での作用発揮する可能性は?
・医薬品を安全・効果的に使用する。
・何故 薬を減らせないのか?について問題提起
木鶏丹の薬理作用の研究
・肝障害モデルマウス(アセトアミノフェン大量投与誘発肝炎マウス)に対する木鶏エキスの効果
・トランスアミナーゼ活性値について
・複方木鶏抽出物及びジュグロンはHepG2細胞に細胞死を誘導した。
『癌毒』対策・・・・・・・中医学講師 鄒大同先生(編著:臨床家のための中医腫瘍学)
・悪性腫瘍の基礎知識 現代医学と中医学の方法論の違い
・中医腫瘤学の病機
1、局所の病気で無く全身の病気
2、複雑な病因→臓腑気血機能障害→腫瘍の発生
3、病機 正気不足+気滞、血瘀、痰凝、熱毒、湿聚→癌毒内結
・《正気の虚(気虚・血虚・陰虚・陽虚) ⇔ 邪聚》・・・癌毒の発生
・古典にみる毒
『毒。厚也、害人之草、往々而生、従屮従毒』身体に生い茂る毒の草のようなもの
・中医学における毒の概念
・癌毒の概念
・癌毒の由来
①外感邪毒…外感邪毒を感受する事により臓腑経絡に留まり、気血運行阻滞し癌毒となる
②七情鬱毒…臓腑機器の鬱滞と逆乱・津液の運行停滞による痰・血の運行阻滞による瘀血→痰瘀互結→癌毒
③飲食醸毒…長期多量の飲酒・熱い飲食・塩漬け・燻製などの摂取により、内湿の毒と熱毒→癌毒
・病機と病証
①寒毒内結…寒毒の感受または内生→腫塊・痛・低体温
②風毒内擾…風毒外感…気血津液の阻滞により痰核→多発性体表腫塊
肝風挟毒…内風+毒→脳転移など《進行性眩暈・頭痛・四肢麻痺》
③痰毒内結 痰→痰核(頑痰)→癌毒(時に経絡に流注すると転移性腫塊)
④瘀毒阻滞 気滞血瘀による硬い腫塊・激しい疼痛・繰り返す出血
⑤湿毒内停 腹水・胸水・体表のがんの壊死や癒合できない潰瘍などは水湿内停あるいは湿毒内停と関連する。
⑥熱毒熾盛 癌性発熱や感染症の合併、面赤・口渇・発汗・皮膚斑疹・出血・意識障害など熱毒の症状がみられる。
・癌毒の特徴 深い毒根・険しい病勢・多彩な伝変・正気を大いに損傷する
・陰陽属性
①腫塊は陰に属する
②初期は陰証が多い・・・邪陰
③病理変化は陽に属する・・・絶えず増殖・転移
④癌毒は邪陰邪陽の合わさったもの(体陰性陽)
・対応
①解毒
扶正解毒…霊芝・チャガ・西洋人参等
袪風解毒…水蛭・蟻・蠍等
化痰解毒…健胃顆粒・温胆湯等
化瘀解毒…丹参製剤・水蛭など
化湿解毒…チャガ・雲芝など
清熱解毒…白花蛇舌草・牛黄など
②攻毒(毒をもって毒を制す)附子・蟾酥など
星火霊芝宝とシベリア霊芝の特徴・・・・中医学講師 何暁霞先生
星火霊芝宝・・・赤霊芝の胞子(赤霊芝1kgから1gしかとれないが作用は赤霊芝の75倍)
破壁について
霊芝胞子はキチンとデキストランの硬い膜に包まれているので膜を破る
この破壁の技術は優れていて98%以上の破壁率、また均一さも保たれている。
栽培法
鍛木に植えつける。これは原木とは違い生えている木に植えつける方法
10月~11月植え付け
4月 発芽後、小さい芽を取り除く
5月袋をかぶせる(6~7月頃胞子が放出されるのを集めるため)
特徴
1、最古の書物『神農本草経』で上品とされている。これは身体を養い、長寿の役に立つというもの
2、もっとも価値のある赤霊芝胞子
3、脂溶性成分のため細胞膜を通しやすい
4、食欲増進
5、心気を補い、心神を安定する。
シベリア霊芝・・・白樺の樹皮の下で成長し樹皮をやぶって菌核をつくる。
ロシアのマースレニコフ博士はモシクワ郊外の病院につとめたが、農民に癌がほとんどないのは
何故かを調べ、チャガとよばれてりるキノコをお茶にして飲んでいる事がわかった。
その後このキノコの研究がすすめられた。
中医学では 気を益し、脾を健やかにする。肝腎を調節補う。解毒し、湿を利するといわれ、
それを目標にすすめられている。