皆様 こんにちは。薬眞堂薬局です。薬眞堂薬局では30年以上の豊富な経験を持つ薬剤師がご相談を伺っております。
中医学漢方では陰陽の調和、気血津液・五臓六腑の円滑な機能の維持によって、恒常性が保たれ健康でいられると考えられています。それが崩れると体調も崩れ病気になる事もあります。
ですから中医学漢方において身体の状態の把握は重要なポイントです。不妊症・更年期障害・生理痛・生理不順など気血精の不足、また気血の巡りの悪い状態の事が多く、それには肝・腎・脾が深く関わります。腰痛・関節痛・坐骨神経痛も肝腎の衰えが元になっている事が多く、アトピー性皮膚炎は脾が関わっている事がよくあります。
このような中医漢方の見方に立ち、確かな弁証論治の力で 自然治癒力を高める身体作りをしていきませんか?
是非お気軽にご相談下さい。
長引く咳と胃
近年、長引く咳の中には胃食道逆流症によるものがあると言われています胃酸が胃の近くの食道を刺激すると迷走神経が刺激され咳になるそうです
中医学では紀元前から胃と肺は関係が言われてきています
『天気は肺に通じる・地気はのどに通じる』(素問)
天気は大気から呼吸によって受け取るものの事で咽喉を伝わり肺に入り、地気とは大地から受け取る水穀の事で咽喉を通って胃に入ります
肺と胃は横隔膜を隔ててお隣どうしです
更に肺の経絡はお腹の辺りから出て大腸を通り上に昇って胃の上口から横隔膜を通り肺に達するといい経絡でもつながっています
肺の生理機能に宣発と粛降があります
宣発の働きの1つは体内の濁気の排泄(呼吸の呼によって排泄しています)で、粛降の働きの1つが自然界の清気の吸入です
これらの働きが失調すると咳や息苦しい・鼻づまりなどの症状がでてきます
この肺の上下運動は脾胃の影響をうけます
脾は昇清を主る・胃は降濁を主る・・・といい飲食によって得た水穀の精微は脾の昇清機能により肺に送られます
また胃は飲食物を下に送っていくので、胃のベクトルは下に向いています
肺の粛降(吸入する力)は胃の影響を受けています
胃の働きが失調し、胃気が上逆すればゲップや胃酸の逆流がおこります
つまり胃食道逆流症になります
方剤学を見てみると胃腸症状と咳の両方治すとなっている方剤が見られます
例えば 六君子湯です
何故咳嗽が起こるかを以下のように書いています
・・・脾運不足により水湿が停滞して痰湿を形成し「脾は生痰の源、肺は貯痰の器」で肺に影響が及ぶと慢性咳嗽・喘鳴・多痰など痰湿阻肺の症候が生じる
又 麦門冬湯は肺陰不足の咳嗽にも胃陰不足の嘔吐にも使います
この場合は 胃陰が不足して胃気が和降できず上逆すると嘔吐をともなう。胃陰虚で虚火が肺陰を傷灼すると肺陰も不足して肺気が上逆するので咳込んで・・・痰が切れにくく粘稠である
肺と胃は密接に関係しているので胃の働きをスムーズにしておく事は良い事です
咳が長引いている人は暴飲暴食をさけ食生活のリズムも整え 晶三仙も利用するとよいです